トルコ至宝展

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トルコ至宝展 スペシャル対談
16世紀、スルタン・スレイマン1世統治時代のオスマン帝国を描いた漫画『夢の雫、黄金きん鳥籠とりかご』の作者である篠原千絵さんと、
昔から篠原さんの漫画の大ファンだという女優の木村文乃さんにトルコやそれぞれの創作活動についてお話いただきました。

 

木村

『夢の雫、黄金の鳥籠』の裏表紙にはトルコの写真が載っていますが、これは篠原先生が撮影されたのですか?

篠原

そうなんです。イスタンブルでも昔の街並みが残っている場所は風情があり、漫画の資料としても使えるのでトルコに行った時はたくさん撮影します。でもトプカプ宮殿に行ってもドアの把手や窓枠など作画の参考になりそうな細かい部分ばかり撮っているので、ガイドの方が「そんなとこばかり撮ってないで、もっと綺麗な部屋がこっちにあるよ」と教えてくださったりして(笑)。

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チューリップが書かれたハレムの部屋
ⓒ 篠原千絵/小学館

木村

先生の漫画は部屋の装飾、服装や食べ物がものすごく細かく描かれていて大好きです。

篠原

ありがとうございます。紀元前14世紀頃のヒッタイト帝国を描いた『そらは赤い河のほとり』の時はほとんど資料が残っていないので、かなりの部分を想像で描いていました。『夢の雫、黄金の鳥籠』ではオスマン帝国について残っている資料を参考に描いているのですが、ことハレムとなると資料が少なくて。

木村

私も先日テレビ番組の取材でトルコに行った時に博物館にも立ち寄ったのですが、ハレムに関する収蔵品はほとんど見なかったです。

篠原

残っているものもあるのですが、常設展示では出ていないようですね。

木村

『夢の雫、黄金の鳥籠』でたまに出てくる宮殿のハマム(※蒸し風呂)の場面で、日本の高下駄のようなものが描かれていて、それがすごく印象に残っていたのですが、今回そのレプリカを見ることができて「あー、これ知ってる!」って。見つけた時はものすごく嬉しかったです。

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ハマムで履かれていたという高下駄
ⓒ 篠原千絵/小学館

篠原

2012年にトプカプ宮殿で開催されたハレムに関する展覧会で私も実物を初めて見たのですが、貝で象嵌された素晴らしい高下駄でした。高貴な女性が履いていたのでしょうね。

木村

ハレムの女性の服装や普段の生活にはものすごく興味があります。

篠原

スルタンが着ていたカフタンは残っていても女性の服はほとんど残っていないので残念ですよね。漫画でも女性の服は想像で描いていることが多いのですが、ハレムの女性という意味のオダリスク風デザインがヨーロッパで一時期流行りまして、そのデザインを参考にすることもあります。

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「夢の雫、黄金の鳥籠」の主人公ヒュッレム(左)とスレイマン1世(右)
ⓒ 篠原千絵/小学館

木村

先生の漫画は食事もものすごく美味しそうですよね。干し肉ですら瑞々しく見えてきて(笑)。それで今回トルコに行った時に、スルタンたちが食べていたという宮廷料理を出すレストランに連れて行ってもらいました。

篠原

いかがでしたか?

木村

すごく美味しかったです!前回トルコへ行った時は食事に割ける時間がほとんどなくて、食に関する一番の思い出は鯖サンド…(笑)という感じだったのですが、今回は宮廷料理を含め、食にも恵まれてようやく世界三大料理と言われるトルコ料理をきちんと味わうことができました。

篠原

トルコ料理というと、なんとなく肉料理がメインというイメージをお持ちの方が多いのですが、意外と野菜料理が多いですよね。トルコに長く滞在していても食に困ったことがありません。

木村

美味しいですよね。トルコ料理が世界三大料理のうちの1つと言われる理由を自分なりに考えてみたのですが、やはりスパイスかな、と。トルコには世界中からスパイスが集まってくるのでそのスパイスを使ったお料理は味が複雑でバリエーションがあって飽きないです。

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漫画では当時の食事も描かれています。
ⓒ 篠原千絵/小学館

篠原

本当にそうですね。基本的に素材を大事にしながら、豊富なスパイスのおかげで味に幅がありますよね。スパイスと言えばスレイマン1世の父親であるセリム1世がエジプトのマムルーク朝を滅ぼし中東一帯がオスマン帝国の領土になったおかげで、オスマン帝国が香辛料貿易の主役に躍り出たのだとか。当時の香辛料は貿易の主要産物ですからオスマン帝国がいかに強国だったかわかります。

木村

そういうお話を聞くと歴史をもっともっと知りたくなります。先生の漫画を読むとその時代背景を知りたくなっていろいろ勉強になります。

篠原

漫画を描いていて一番嬉しいのは、そんな風に何かに興味を持つきっかけが私の漫画だったと言っていただけることなのです。

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木村

先生のファンはみなさん熱心ですから年表を作っている方も多いそうです。

篠原

その年表欲しいかも(笑)

木村

先生も1つの漫画を描かれる時は資料や本などをたくさん読まれますか?

篠原

若い時はものすごいエネルギーでいろいろなものを吸収していましたが最近はめっきりキャパシティが減ってきていて。ですので全部覚えておくことは無理だという前提で、頭の中には索引を作っておく感じです。それ以外にもワクワクドキドキした感情は忘れないようにしています。『天は赤い河のほとり』の時はワクワクドキドキ感、私たちはよく「萌え」と言ったりしますが、その「萌え」の感情で描き上げたのですが、『夢の雫、黄金の鳥籠』は資料がいろいろ残っている時代のお話なので、史実を元に今までとは違うコースを目指して描いているような感じです。

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ⓒ 篠原千絵/小学館

木村

そうなんですね。私も今、これから演じていく役柄についていろいろ思うところがあるので、先生も今までとは違うタイプの作品を目指しておられると知りすごい励みになりました。今日はありがとうございました!

篠原

こちらこそ、ありがとうございました。

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対談の記念に篠原先生からプレゼントされた色紙と一緒に

色紙には木村さんが大好きな『天は赤い河のほとり』の主人公ユーリと『夢の雫、黄金の鳥籠』のヒュッレムが描かれています。
木村さんが出演される4月6日(土)BS-TBSで放送予定の特別番組「木村文乃 至宝が誘う悠久のイスタンブルへ」では、ユーリの髪型の木村さんが見れるかも!?
展覧会とあわせてお楽しみください。

木村文乃 きむら・ふみの

女優

生年月日1987.10.19
血液型AB型 出身 東京都
趣味:映画鑑賞、写真、スキューバダイビング
特技:乗馬、スキー、剣道(初段)
フジテレビ開局60周年特別企画「大奥 最終章」出演! 主演・久免役 2019年3月25日(月)20:00~放送
オフォシャルサイト

篠原千絵 しのはら・ちえ

漫画家

神奈川県出身。2月15日生まれ。代表作『闇のパープル・アイ』で第32回、『天は赤い河のほとり』で第46回小学館漫画賞を受賞する。
ファンタジー、ミステリーなど幅広いジャンルで大活躍。
現在、オスマン帝国を舞台にした『夢の雫、黄金の鳥籠』を連載中。

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